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グロテスク [読む]

桐野 夏生 (著)

東電OL殺人事件 という、実際にあった事件をもとに書かれているそうです。
著者いわく、「この世の差別のすべてを書いてやろうと思った」とのこと。
確かに、そういわれれば嫌悪感を抱くほど、差別が出てきます。

主人公というか、物語を一番よく語っている人は、誰もが息を呑む美少女の妹を持つさえない姉。
妹と比べられるのが嫌で勉強して名門の女子高に入学。
親と離れて、祖父と質素な暮らしをします。
そんな主人公が感じる、見た目、お金、家柄、人種、そんなたくさんの差別。
自分は気にしないという姿勢で語っていますが、実際は見た目に執着するかわいそうな女性。
語り手は何人か登場しますが、皆が皆、差別に翻弄されているようです。

女子高の話は、私自身、主人公と同様女子高に通っていて、中等部から来たメンバーとは明らかに親の収入に差が有り、気後れすることもしばしば。
「普段はどこのブランドを着ているの?」と聞かれて言葉に困った覚えもありますし、友人は「お誕生日会に誘われたんだけど、船上パーティーなんて、着ていくものがないよ」と困っていたこともありました。
なので、もしかしてうちの学校の話?なんて思ったくらいで、なんとなく親近感を感じました(笑)。

しかし、これを読んで何を感じるのか。
うーん、正直何もありませんでした。
現実にこれ程までに差別を実体験する事はないと思いますが、少なからず誰でも差別を感じた事はあるでしょう。
その差別をこれでもか!というほど書いた本。
出てくる女性が愚かに感じました。
女は愚かだ。なんて思われたら嫌だなぁ。
そんな風にも思いましたしね。
なんだか、私にはすべてが駄目でした。


タグ:小説
nice!(8)  コメント(3) 
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コメント 3

mei

◇nishikenさん
◇めぇさん
◇Cherryさん
◇プースケさん
◇お散歩パンダさん
◇miopapaさん
nice!ありがとうございます。
by mei (2010-05-06 12:26) 

プチ・シュー

なるほど~小説のコメント、とっても興味深く読ませてもらいました。
そうですよね、差別があることぐらい、大小あれどきっと多くの人が感じて
いるものですよね。
高校の頃から感じていたとは、それは多感な時期に色々思うことも
あったでしょうね。
私はフランスにいた頃に、やはり感じましたよ。
アジア人、日本人に対する差別というのは初めて感じたものでした。
小説の中の女性は、差別はあり、差別に対する想いは消えなくても、
それに囚われることが不幸の始まりでもあると、気付いて前向きに
なったりしたのかしら。
それもなかったら、後味が悪いですよね(@_@)
by プチ・シュー (2010-05-06 22:13) 

mei

◇プチ・シューさん、こんにちは。
海外でアジア人差別を受けること、ありますね。
日本人は人種差別を身近に感じにくいので、驚きますよね。
小説の語り手は最後もありえないのですよ。
はっ?って感じでもう意味がわかりません。
芯がしっかりしていなかったのか、それとも自分の目で確かめるのか。
でも、ちょっとありえない展開だとおもいました。
by mei (2010-05-11 12:57) 

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